2018年10月6日土曜日

Khamsin(2012) フロントベアリング打ち替え

最近自転車通勤復活しまして、通勤号に再び乗り始めたのですが、なにかフロントが暴れる感じがするのです。見てみるとホイール外周で左右に1mmぐらいガタが出てました。そのまま乗り続けると危険なので修理です。

さて、ホイールのガタはほとんどの場合ベアリングが原因です。
Khamsinのベアリングはカートリッジ式のものです。カートリッジ式のものはメンテナンスフリーですが、カップアンドコーンのように調整ができないので、不調の場合は全体を交換する必要があります。

ということで、ベアリングを入手。純正品(4-HB-SC013)は高いので、純正品と同規格の汎用品を調べてモノタロウに発注。
それがこちら。
NTN製の6001-LLU。

「6001」はベアリングの構造とサイズを表しています。6が深溝玉軸受、0が外径28mm、01が内径12mmといった具合。こんなかんじです。
これは元のものと合わせておかないと物理的に使用できません。

LLUはシールの構造を表しており、LLUは両側接触ゴムシールという意味です。ほかにLUとかLBとかZとかあります。(NTNのものでメーカーによって記載は違います。)
LLUは裏表どちらにもゴムシール(写真の赤い部分)がかぶせてあり、そのゴムシールがベアリングのボディと接触しています。LUだと、このシールが片側だけなります。当然、両側シールのほうが防水防塵性能は高いですが、その分回転が重くなります。
さらに、LBとかになるとシールがベアリングのボディに接触していません。回転は更に軽くなりますが、防水性能も低下します。Zはゴムシールでなくスチール製のシール(というかもはやカバー)です。防水性はありません。

今回は、通勤用ということで多少回転が重くても耐水性を選んでLLUとしました。なお、純正品はLU相当です。軽さを選ぶならLBとかにすると軽くなるのではないかと思います。
購入したのはこちら。1個約300円、2個必要です。


それでは作業開始。最初にシャフトを抜きます。
シャフトを抜く前に樹脂製のカバーがかぶせてあるので剥がします。手ではがせます。
エンドナットと玉押し的な金具が締めあわせてあるのが見て取れます。

こいつらをスパナとハブスパナを掛けて緩めます。
写真だと広げる方向に力をかける感じです。

抜けました。
ただ、反対側の玉押し的な金具は固くて手では抜けませんでした。そんなときは、途中までシャフトをねじ込んだ状態で反対側からハンマーで軽く叩くと抜けます。

シャフト摘出。
カップアンドコーンに比べるとずいぶん部品点数が少ないです。

ベアリング。
外から見ただけでは悪くなっているように見えませんが、触ってみるとゴリゴリで、左側はやはりガタがありました(´・ω・`)

今回これを交換するわけですが、固くはまっているので手では外せません。
外すには本来ベアリングプーラーという工具を使うのですが、そこそこ高いので今回は別の特殊工具(w)を用意しました。

それがこちら。
棒ネジ+ナット。総額200円ぐらいww

反対側から差し込んで、ベアリングの内側の輪に棒ネジの先をあてがい、上からハンマーで叩きます。
叩くところを変えながら、均等に叩いていくと徐々に抜けてきます。
固い地面に置いてやった方が力が逃げないでよいです。フローリングの床の上などでやるとちょっと心配な感じでしたw

コンコン叩いてるとそのうち抜けます。抜けたベアリングがこちら。
グリスに水が回って乳化しています。
当初、茶色いのはシールか何かかと思って、乳化したグリスを落とすべくパーツクリーナーを吹いたところ、
ギャー!
サビでしたwww ガタ出るはずだw

ハブの方はこんな感じ。
きれいです。サビもありません。

それではベアリングの圧入。
ハブボディの内側には固着とサビを防止するため薄くグリスを塗っておきます。
で、新しいベアリングを乗せます。
ここから先は手で押してもはまりません。
一般的に、ベアリングの圧入には

  • 圧入工具を使って圧入する
  • ソケットなど寸法の合う金具をあてがってハンマーで叩く
  • 交換した古いベアリングをあてがってハンマーで叩く

とかいう方法があるようです。

専用工具を使うのが一番いいんでしょうが、結構なお値段します。とはいえハンマーで叩く方法は斜めに入ってしまうことが多いので今回は別の特殊工具(w)を用意しました。

それがこちら。
先程打ち出しのときに使った棒ネジとナットに、30mmの丸ワッシャーx2と蝶ネジをトッピングww

まずは、先程入るところまで入れたベアリングの上に古いベアリングを乗せます。
その上に丸ワッシャーを乗せます。
反対側も同じようにして、棒ネジで串刺しにし、蝶ネジを締めます。
新旧のベアリングの位置がずれないように気をつけながら蝶ネジを締めていくとじわじわと圧入されていきます。蝶ネジを回せなくなったら圧入完了。
最後に、念の為古いベアリングを上に当てて、その上から軽くハンマーで叩いておきます。
新旧のベアリングは同じ規格なので、ぴったり同じサイズのはずで、押し込む金具としては非常に都合が良いです。深い穴の奥に圧入する場合は新旧ともに圧入されてしまうのでこの方法は使えませんが。

きれいに収まりました。
あとは、外したときと逆の手順で固定。
ワッシャーを置いて、
※裏表があるので注意。出っ張ってるほうがベアリング側

シャフトを挿して、
反対側を組み付けて、ハブスパナとスパナで締めあわせて終了。
玉当たりの調整が不要とはいえ、玉押し的な金具をあまりきつく締めると回転が渋くなります。
逆に玉押しとエンドナットは固く締め合わせておかないと危険です。

復旧(∩´∀`)∩ワーイ
ガタがなくなりました。
回転はちょっと重くなったかも。ただ、前輪なので乗ってると気づかないかも。

5年間ノーメンテだったので少なくともあと5年はいけるはず。あ、両側シールなのでもっと丈夫か。そうなるとリムが先にやられそうですw